in

BtoB製造業の新規サプライヤー・協業先オンライン調査10選

新規サプライヤーってBtoB製造業のみなさんはどうやって探していますか?三大開拓方法「紹介」「展示会・商談会」「オンライン(インターネット)」の中で、まず紹介に頼ることが多かったと思います。それが新型コロナウィルスの影響でオンラインの存在感が一気に高まったことは容易に想像できます。

今回はオンラインで新しく協力工場やサプライヤー、協業先などを探す方法についてまとめます。

なぜ新規サプライヤー・協業先開拓が必要?

そもそもなぜ新規サプライヤーや協業先を探す必要があるか考えてみます。

一番重要な理由は、サプライヤーや協業先が常に存続し続けるとは限らないからです。中小製造業で見ると、10年で4分の1がなくなります。下記データは2020年版中小企業白書のデータを加工したものです。1999年を基準に考えると、10年後の2009年には26.2%、2016年には37.1%企業が減少しています。仮に20社サプライヤーや協業先を抱える企業であれば、10年で5社探さないとダメなのです。

画像2

なお、倒産という言葉はよく聞きますが、休廃業や解散という数字もあります。

画像3

東京商工リサーチのデータで見ると、2016年は休廃業・解散が29,583件、倒産が8,446件あります。38,029の企業が消えました。具体的な定義はこの記事の最後に掲載しますが、休廃業・解散は資産が負債を上回っており、倒産は負債が上回っています。休廃業・解散は「事業・会社をたたむ」に近く、例えば事業承継問題で黒字なのに会社を清算するのはここに入ります。

倒産が減って休廃業・解散が増えている状況を見ると、事業承継問題などで会社がなくなるケースが増えてきており、今後も増えることが想定されます。ということを考えると、今後はもっと新規サプライヤー・協業先を探すことが必要となると想定されます。

オンラインを活用して新規サプライヤー・協業先を探そう

新規のサプライヤー・協業先を探す方法は色々あります。

画像4

一番信頼性が高いのが紹介や口コミですよね。社長仲間や協業先などから紹介してもらうと話は早いです。契約に明記されていないことまで勘案してくれることまでありますし、多くの場合は紹介者が信頼できるところを紹介してくれます。そこが自社にとっていいサプライヤー・協業先かは、紹介者と判断基準が違うのでわかりませんが、少なくても変な会社に当たる確率はかなり低くなりますので、引き続き紹介には頼った方がいいです。

今までその次に有力だった展示会・商談会は新型コロナウィルスの影響で中長期的に下火になります。ある程度元に戻ったとしても、今までのレベルまで戻りきらないです。引き続き活用はすべきと考えますが、今までと同等の活用はできないと考えて行動すべきです。

オンラインは、これから重要になってくるツールです。

画像3

これは海外でよく使われているデータですが、「BtoBの顧客はサプライヤーの営業担当と会う前に購買プロセスの57%が完了している」と示すものです。つまり「欧米ではWebを中心とした事前調査が進んでいる」と読み取れます。日本でもこの流れは新型コロナウィルスの影響で進みます。もちろん口コミや紹介、展示会・商談会で繋がった人についてもオンラインで調べた方がいいです。オンラインで新規のサプライヤー・協業先を調べることはものすごく重要です。

オンラインでの新規サプライヤー・協業先調査方法10選

Googleで探すとゴミ情報が多すぎませんか?Amazonの製品情報や不要なメディア記事が多くてなかなか欲しい情報にたどり着きません。Google以外を使って効率的・効果的に新規サプライヤー・協業先を探しましょう。

①エミダス(NCネットワーク)

株式会社NCネットワークが運営する「エミダス」は、オンラインでの工場検索の老舗で、日本のBtoB製造業のオンライン検索を今まで引っ張ってきたサイトです。

登録事業所数約17,000、技術・製品ページ約52,000件、月間約600万PV(ページビュー。閲覧されるページ数)の日本最大級の製造業検索サイトです(数値は2020年12月公式サイトより)。

基本的には登録企業が月額の登録費用を払ってページ掲載します。無料プランもありますが、情報量が多かったり検索で引っかかりやすい企業は有料登録している企業が多いです。ちゃんと使っている企業はブログ機能も使って最新情報を発信しており、有益な情報が得られると思いました。

検索は会社検索と製品・技術検索など様々な検索方法があり、例えば技術検索してから素材で絞り込むなどの検索も可能です。

ヒアリングした声では、検索方法が色々あるために慣れると使いやすそうですが少し使いづらく、検索順位も今ひとつしっくりこないという声がありました。そういったことも含めて全体的にサイトの作りが一昔前のものなので、使いこなすには慣れが必要と思います。

総じて登録数は多いので、新規のサプライヤー・協業先を探すにはある程度使えるのではないでしょうか。

<まとめ>
・老舗で日本最大級の製品・技術検索サイト
・多様な検索方法、ブログ機能などユーザー、出展者双方への機能が充実している
・使い勝手やサイトの作りは一昔前

②イプロス

あのキーエンスの100%子会社で、約4万社の登録(2020年12月公式サイトより)がある日本最大級の製品・技術検索サイトです。

製品検索がメインで、細かな製品分類で絞り込むことが可能です。ページはシンプルな構成で、カタログダウンロードが可能ですので、情報収集は具体的かつ早くやりやすいです。

登録料は基本無料で、イプロスの主な収入源は広告収入です。広告企業はイプロスの検索で上位表示されます。

私が使った感じでは、広告は関係ないものが出るので邪魔ですが件数が少ないので大きな障害にはなりません。具体的に探している物が明確な場合は見つけやすいですが、明確でなく課題があるだけの場合(〇〇を軽量化したい、など)は少し探しにくいかもしれません。製品のPRが目立ち、技術のPRは少ないためです。ただ、技術課題で探しやすいところはあまりないので、仕方ないとは思います。

登録企業数が多いのも納得で、企業の公式ホームページを見てイプロスの担当者がページ登録するという荒技で数を増やしています。探す方にとっては選択肢が多くなるので、目当ての新規サプライヤー・協業先候補を見つける可能性は比較的高いと思います。

<まとめ>
・登録企業数が非常に多い
・シンプルな作りで使いやすい
・製品のPRが多く、技術的な検索は物足りない

③ManuTech

グローバライズ株式会社というベンチャー企業が運営する技術・製品検索サイトです。

技術分類、業種分類、利用フェーズで検索が可能です。動画と画像が表示され、技術製品情報には強みや利用するメリットが書かれているので、特に知りたい情報は揃っていると思います。

登録料は、オープンして間もないため期間限定で無料です。登録料が月額でかかるようになるので、試すなら今のうちと思います。

使いやすくデザインも今風でいいですが、登録企業数がまだ少ないのが課題です。ただ、日本語で登録すれば英語に翻訳して英語のページも持てるので、海外向けにもページを持ちたい企業にはもってこいだと思います。

また、製造業専門の検索エンジンを制作していて2021年2~3月ごろリリースされるので、新規サプライヤー・協業先を探すのに使えることに期待です。

<まとめ>
・シンプルでUIが今風で使いやすい
・登録企業数が少ない
・日本語と英語のページがある
・今後開発される製造業専門検索エンジンに期待

④ジェグテック

中小機構が運営する中小企業とのビジネスマッチングサイト。登録は無料で、中小企業限定、業種は幅広いという特徴があります。

アピールページ・製品技術サービスページ・法人概要ページで構成されており、ちゃんと登録している企業は情報も充実しています。

検索方法は、業種とエリア以外にも海外との取引実績や表彰など様々な特徴で検索可能です。ただ、業種は大まかなので、キーワードが重要になります。キーワード指定と登録企業がちゃんとキーワードを使って原稿を書いているかによってヒット率が変わります。

新規サプライヤー・協業先候補が、中小企業を想定するなら使ってみてはいかがでしょうか。

<まとめ>
・公共で無料だが登録審査ありなので、変なデータはなく登録企業も多そう(企業数非公開)
・DXやオープンイノベーション、海外企業など各種特集ページがある
・検索は、絞り込みが難しいのと順位の決め方が不明

⑤モノマド

2017年開始の「協力工場を探索代行・紹介をする窓口」です。会社を検索するのではなく、モノマドがリクエストに応じて探してくれます。

登録企業は1,000社以上で、100名以下の企業がほとんど(公式サイトより)です。仲介から代金回収まで行うので、登録企業にとっては使い勝手がいいサービスとなりますが、手数料が乗るので価格的には最安値にはならないと想定されます。

『協力工場探しは「モノマド」』というコピーを使っていたぐらいですので、新規サプライヤー・協業先を探すために使えるとは思います。登録企業数が少ないためにマッチングが最適でなくても勧められるリスクや、モノマド担当者とのやり取りが必要なことから、少し重たい感じがします。

<まとめ>
・オンラインを通じた仲介サービス
・中小企業1,000社以上から探してくれる
・完全にオンラインで探すより対象企業数が減って手数料が乗ることを考えると、探す手間を省くことがメリット

⑥techmesse

オンライン中心に様々なビジネスマッチングの仕組み提供を行っているリンカーズのオンライン展示会サイト。2020年12月に「まもなく1,000人突破」とニュースリリースされています。

まだ掲載件数が少ないのと、各ページの情報量が少ないため、これからに期待のサイトです。検索は基本的な業種や技術だけでなく「用途/解決できる課題」で検索できるのが素晴らしいと思います。

新規サプライヤー・協業先を探すなら、テックメッセで見つからなければその他のリンカーズのサービスを使って探すことも考えられます。

<まとめ>
・2020年スタートのサービスで登録数が少なく、これからに期待
・検索はしやすそう
・情報量が少なめ。こちらもこれからに期待

⑦自治体や団体のものづくりポータルサイト

多くの自治体や商工会議所、工業団地、組合が所属企業のポータルサイトを持っています。例えばものづくりで有名な大田区と東大阪市では以下のようなマッチングサイトを持っています。

当たり前の話ですが、これらの最大の特徴は「地域などかなり狭く限定する」ことです。例えば私の実家は大阪府茨木市で鋳物工場を営んでおり、茨木市の「あい・きゃっち」というサイトには掲載されています。ご近所の会社を調べる時には有効ですが、それこそご近所なら口コミや紹介ですよね。

自治体はオンラインより直接探す方が有効です。自治体関連の組織に問い合わせると丁寧に探してくれたり説明してくれたりします。以前に大田区産業振興協会に話を聞きに行ったことがあり、その時は色々と教えてくれました。

<まとめ>
・地域を限定して調べる場合は有効
・サイトの情報量は少ないので、結局は直接話を聞くことになる
・直接聞くと丁寧に対応をしてくれる

⑧J-STAGE

「科学技術情報発信・流通総合システム」(J-STAGE)は、国立研究開発法人科学技術振興機構 (JST) が運営する電子ジャーナルプラットフォームです。

これは技術課題で困っている時に、専門的な技術に関する記事等で解決方法を探したり、著者から研究機関や企業を辿ったりすると新規サプライヤー・協業先候補に着くことがあります。

<まとめ>
・専門記事、論文などの検索サイト
・技術課題を抱えている場合に解決方法や解決のノウハウを持っている人を探すのに使える

⑨J-PlatPat

特許情報プラットフォーム「J-PlatPat」は、独立行政法人工業所有権情報・研修館(元特許庁内組織)が運営する特許、実用新案、意匠及び商標等の産業財産権関連の工業所有権公報等を無料で検索・照会可能なデータベースです。

こちらも技術課題で困っている時に、特許情報から解決方法を探したり、権利者から研究機関や企業を辿ったりすると新規サプライヤー・協業先候補に着くことがあります。

<まとめ>
・特許情報の検索サイト
・技術課題を抱えている場合に解決方法や解決のノウハウを持っている人を探すのに使える

⑩アペルザ

株式会社アペルザが運営する製品カタログ検索サイトです。アペルザは2019年に12億円調達で話題になるなど注目のベンチャー企業で、製品カタログサイト以外にも製造業のECや営業管理システムのサービスを展開しています。

登録カタログ数が約45,000(2021年1月)で、数が多いので細かな分類からカタログ検索ができます。カタログの多くは売りたい物が明確なもののPRなので、探す側から考えると買いたい物が決まっている時に使うケースが多いと思います。

また、インターネットベンチャーらしくサイトは使いやすいものとなっています。

<まとめ>
・インターネットベンチャー企業が運営する製品カタログ検索サイト
・特にある程度探す物が決まっている時に使える
・使いやすいユーザーインターフェイス

オンラインの探し方はまだ確立されていない

前提として、そもそもオンラインで新規のサプライヤー・協業先を探している企業はそれほど多くないです。これは大手であってもそうです。なぜなら基本的に既存取引先が優先されるからです。

既存取引先にQCDを改善してもらった方が確実で手っ取り早いですよね。しかもコロコロ変えると相互理解もできず信頼関係も築けないため、ものすごく生産性が落ちます。社内の新規開拓ニーズは大きくないのが通常です。

一方で、既存のサプライヤーや協業先だけではイノベーションの質とスピードは上がりきらないことも想定されます。社内のオペレーションを改善したら残るのはサプライヤーや協業先の改善です。そこにメスを本気で入れられれば競争力につながります。

また、新規サプライヤー・協業先を開拓するにもノウハウが必要で、開拓しないと社内にノウハウが溜まらず、いざという時に見つけられないし契約に時間がかかる、という事態になりかねません。

私は、ずっと付き合いたい相手と替えてもいい相手を切り分けて考え、すぐに切り替えるかは別にして新規のサプライヤー・協業先の情報収集はし続けた方がいいと考えます。調達部門・調達担当のパーチェイス(purchase:発注)とソーシング(soucing:サプライヤー選定や契約)の業務におけるソーシングの比重を少し重くして業務が回るよう改善すべきと考えます。

まずはGoogleで探すとゴミ情報(Amazonや不要な記事が上位に来る)が多いので、それだけではない探し方を試すことから始めてはいかがでしょうか。

Report

Written by 辰巳竜一

中小製造業を応援しています! 辰巳工業株式会社元取締役、中小製造業向け経営コンサルタント(株式会社ヴィサイプ代表取締役)。家業の鋳物工場の成長させた実績から、現在は中小企業のブランディング(国内および海外)や事業戦略から現場改善への一連の統合した活動を支援。

Comments

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。

GIPHY App Key not set. Please check settings

Loading…

0

What do you think?

コロナ禍が「日本の製造業」を復活させるチャンスでもある理由 (diamond.jp)

製造業のB2Bオンラインマーケティング