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製造業のB2Bオンラインマーケティング

デジタル化が進む中での製造業界で今やるべきオンラインマーケティング

製造業界のB2Bマーケティングの流れ

B2Bの購買行動はますます複雑化しています。2016年から2018年にかけて、購買決定に関与するステークホルダーは、1つの企業で6.8人から8.2人に急増したと言われています。今日では、普段の生活での消費者としての購買経験が重なり、ビジネスでの購買においても購買に対する期待度が高くなってきています。長年の複雑な販売プロセスになっている製造業にとって、大変難しい状況になりつつありますが、オンラインでのマーケティングの重要性が高まってきています。

B2Cでは購買者がひとりであることが多いですが、先述したようにB2Bでは客先となる企業に複数のキーマンが存在しているケースが多いです。また、選考プロセスも複雑で製品を購入するまで時間が掛かるといった理由により、個別の対応が求められるような特殊性もあります。さらに、案件の発掘にも時間が掛かり、長期的な視野を持ったマーケティングとその後のフォローアップまで計画しておくことも必要になります。このように、B2Bマーケティングは複雑でそれなりの人手がかかる活動です。

2021年に製造業が取り組むべきB2Bマーケティングを紹介したいと思います。

製造業のB2Bマーケティング戦略の検討

下記に一般的な製造業の購買プロセスの概要です。

製造業の購買プロセスとして「情報収集」「解決策探し」「比較・検討」「購入」

各購買プロセスにおいて、それぞれのキーマンに対して、適切にマーケティングしていく必要があります。購買担当者などキーマンは事前にインターネットで情報を得ていて、製品情報などを把握している可能性もあります。従って、営業が担当部門に接触してから製品の説明をするのでは遅いということになります。単なるリード獲得のためのマーケティングではなく、企業情報、技術情報、製品情報を正しく、そしてわかりやすく伝えるためのマーケティングを行うことが重要です。

ここでマーケティングの戦略検討、実行手順は下記の5STEPで考えることができます。

  1. ターゲットの顧客設定とニーズの把握
  2. オンラインマーケティングにおいて強みと弱みの把握
  3. 目標の設定
  4. 戦略の検討
  5. 計測、分析、改善

各ステップについて概説します。

 

ターゲット顧客の設定のニーズの把握

ほとんどの製造業の場合、ターゲットの顧客として会社名や役職名を羅列したりします。しかし、それだけでは、正しいターゲット顧客の設定にはなりません。肩書きや役職だけでは、ターゲット層の行動や購買意欲、マーケティングコンテンツへの反応などについては何もわからないからです。先述したように、今日のB2Bセールスファネルでは、一人ではなく複数の人が関与していることが多く、人によってモチベーションが違ったり、関与していることが違ったりします。

エクセルシートなどを使って、貴社のターゲット顧客について以下のことを書き出してみてください。

  • 一般的な人口統計
  • 一般的な共通の関心事
  • 貴社の製品を使用する動機
  • 貴社の製品やサービスが解決する顧客のペインポイント
  • 顧客との正しいコミュニケーション方法(ソーシャルメディアよりもメールを使うか?YouTubeやFacebookの動画をよく見るか?など)

これらにより、よりターゲット顧客とそのニーズ、購買動向を明確にすることができます。

 

オンラインマーケティングにおいて強みと弱みの把握

オンラインマーケティングにおいて、貴社の資産の強みと弱みを把握していくことは重要です。一般的に競合との比較に置いて盛り込んでおいた方が良い内容は下記になります。

ウェブサイトの評価(スピード、モバイルフレンドリー、現在の検索結果ランキングなど)
マーケティングコンテンツの評価(ホワイトペーパー、電子書籍、メールマガジンなど)
PPC(Pay Per Click)とソーシャルメディアサイトなどのオンライン広告状況

徹底した競合分析を行うことで、オンラインマーケティングの視点からSWOT(強み、弱み、脅威、機会)分析をすることで、競合他社に勝つために取ることができる実用的な対策をとることができます。

 

目標の設定

B2Bオンラインマーケティングで、顧客の獲得が最終的な目標ですが、獲得数を増やすためにはどうするのが良いのか。STEP3で検討した強みと弱みを分析しつつ、貴社として力を入れていくところは。

  • より多くのリードを獲得することか?
  • 転換率をあげていくことか?
  • より良いブランディングをすることか?

など目標を明確にし、できるだけ数値設定をします。それを書き出し、共有することで、社内での共通認識をもち、必要に応じて見直しもおこないます。

 

戦略の検討

目標が決まれば、それぞれの目標に対して最適なB2Bマーケティング方法を検討します。例えば、主な目標がリードを20%増やすことであれば、リードをより多く産むためのマーケティングを考えます。メール配信のターゲットを増やすことかもしれませんし、現在行っていないマーケティングチャネルを増やすことかもしれません。

また、顧客を維持できていないようであれば、顧客維持のためのマーケティングにもっと努力が必要になります。

STEP1で把握した顧客行動に従い、より効果を産むと考えらえるマーケティングの戦略を検討していきます。

 

計測、分析、改善

マーケティングを実施した際はその結果の追跡が重要です。実施した結果を分析し、新しい戦略たて、テストして、その結果に基づいてキャンペーンを調整します。そしてこのプロセスは一度でなく、何度も繰り返しながら改善していくことで、より大きな成功へと結びつけていきます。

以上は戦略検討、実行の概要ステップですが、今日の製造業におけるB2Bマーケティングでの重要になりつつあるトレンドの手法を次に紹介したいと思います。

 

製造業のB2Bマーケティングのトレンド

動画マーケティング

既に理解されている方も多いと思いますが、動画マーケティングは非常に重要です。Cisco社によると、2021 年にはインターネット トラフィック全体の 80% を動画が占めるようになると予測されており、デジタル コンテンツの中では圧倒的に動画が主流となっています。動画は非常に効果的であるためマーケティングの主流になりつつあります。動画マーケティング担当者によると、質の高いリードを得ることができ、80% の人が動画マーケティングが売上の増加に役立っていると答えています。

また、動画マーケティングまだ積極的に取り組んでいない企業は、すぐにでも動画マーケティングに積極的に取り組む必要があります。CRMツールの会社の調査レポート「2020年マーケティングの現状」によると、最も利用されているマーケティングコンテンツの種類として、動画がEメール、ブログなどの有力な他のコンテンツを抑えて上位になっています。コンテンツ戦略に動画を取り入れているマーケティングは、取り入れていないマーケティングに比べて49%の収益率の向上が見られたというデータもあります。

技術は公開できないという製造業の方々も多いと思いますが、実際の工場見学の代替として動画を作るなど、動画コンテンツを作れる題材が多いのも製造業です。製造業の中にはマーケティングの専門家と提携し、工業製品の販売やブランドストーリーの共有に役立つ動画を作成しているところもあります。製造業からと言うことはやらない理由にはならなくなっています。

動画マーケティングを簡単に始めることができるツールやリソースがたくさん出てきており、より簡単に動画マーケティングを始められる環境が整いつつあります。ぜひ動画マーケティングを始めてみてください。

 

顧客目線のコンテンツマーケティング

B2Bマーケティングを検討するとき、ほとんどの製造業の企業は、リードをいかに作るかを最優先に考えています。良いリードをつくることがオンラインのB2Bマーケティングの目的なので当然のことなのですが、目標を達成することに焦点を当てるのではなく、ターゲットである顧客の目標は何か、そしてその目標を達成するにはどうするかを考えるのも重要です。

例えば、ほとんどの製造業や産業界の企業は、技術者や購買担当とつながっています。これらのバイヤーの課題、習慣、プロセスを理解し、彼らのニーズを満たすようなコンテンツを作成することが重要です。

参考までに、効果的なコンテンツマーケティングには、次のタイプがあります。

  • ブログ : 技術者の中にはお気に入りのブログを読んで、何が新しいのかを確認しています。ブログの内容が良ければ良いほど、スキルや知識が増え、その企業を信頼するようになり、そしてまた利用する可能性が高くなります。
  • 電子書籍とホワイトペーパー : 顧客を獲得したら、ホワイトペーパーや電子書籍の形で教材を提供することも考えられます。
  • ソーシャルメディア : ブログ、ウェビナー、新製品、顧客の声をソーシャルメディアに定期的に投稿します。
  • ウェビナー : 教育的なウェビナー、インタビュー、Q&Aなどを利用して、顧客が製品を使用したり、サービスをより効果的に利用できるようにします。

前述した動画マーケティングももちろん効果的なコンテンツマーケティングの1つです。

 

Webサイトの改善

B2Bマーケティングは、常に最新の情報を発信することも重要です。製造業の中には、ウェブサイトを更新するためにウェブサイトデザイナーを雇い、全て任せてそのままにしてしまう人もいますが、実際は常に改善していく必要があります。これは手間のかかるようなことに思えますが大変重要なことです。

改善の方法としてA/Bテストは有効な方法のひとつです。A/Bテストは、あるマーケティングにやり方を2つ(またはそれ以上)のバージョンを作成して、どちらがより良いパフォーマンスを発揮するかを判断するテストです。これらのテストは、製造業のウェブサイト、Eメール、PPC広告など、オンラインマーケティング全体に適用することができます。

例えば、コンバージョンを増やすためにフォームの位置をテストするなどです。フォームからの投稿を増やすためににフォームの配置をテストします。バリエーションAでフォームを右側に設置、一方、バリエーションBはフォームが左側に設置してテストします。結果はバリエーションBで転換率が2倍以上になりました。つまりフォームは左側に設置すべきですとわかるわけです。これだけでなく、ページを最大限に最適化するために、別の微妙な変更を加えてこのA/Bテストを続けていくことが重要です。

 

企業ブランディング

会社は、工業製品やサービスを提供するだけではありません。その会社は他に類を見ない品質の高さを誇る企業かもしれません。イノベーションを産むような取り組みに強い企業かもしれません。企業はこれら企業としての強みをブランディングしてバイヤーに知ってもらう必要があります。B2Bマーケティングではこのブランディングも重要です。

効果的なブランディングは競争の激しい市場で競合他社との差別化を図ることができ、潜在顧客に親近感を持ってもらうことや、信頼してもらえるようにすることができます。強力なブランドが広まれば、信頼を築き、バイヤーへのリーチがより容易になります。オンラインニューススタンドなどを活用し、定期的にプレスリリースを配信することで、企業の強みを発信しましょう。

会社の目的、サービスを提供している顧客、顧客がいる業界、そして工業製品やサービスがどのように顧客の問題を解決しているかを伝える会社紹介ビデオを作成することも良い方法です。会社のサイトの「会社概要」ページに追加したり、SNSを活用して発信するのも良いでしょう。

 

マーケティングオートメーション

デジタル化が進むに従い、B2Bマーケティングのオートメーション化の重要性が増してくると思われます。マーケティングオートメーションとは獲得した見込み客の情報を一元管理し、主にデジタルチャネル(メール、SNS、ウェブサイトなど)におけるマーケティングを自動化、可視化することです。

顧客の購買確度に対する最適な宣伝やコンテンツの提供を行うのは難しいのが現状です。その理由として、顧客の興味や関心は分散化しており、一人一人に即したコンテンツを提供し、そのニーズを確認することが人の手では既に難しくなっているためです。

そのため、見込み顧客に対する適切なコンテンツの提供や、適切なタイミングでの営業によるキャッチアップを行うために、マーケティングオートメーションが活用されています。マーケティングオートメーションは、製造業の複雑なリードを作るプロセスを簡素化し、オンラインマーケティングや営業活動をパーソナライズすることができます。

ここに製造業が活用しているマーケティングのパーソナライゼーションの例をいくつか紹介します。

  • 配信メールの挨拶の中に受取人に名前を入れる
  • 相手方の製品からどのように利益を得られるかを例示する際に社名を入れる
  • 最後にダウンロードしたコンテンツを参照し、参考になったかどうかを尋ねる
  • 相手毎に興味のある製品または製品カテゴリーを参照するメールコンテンツにする
  • 事例やケーススタディを参考にする

また、製造業が行っているオンラインマーケティングのオートメーションの例として

  • 営業担当者のテリトリー別のリードをルーティングする
  • 国別にカスタムの「ありがとう」メールを送信する
  • サンプル、RFQ、カタログなどの内部リクエストをルーティングする
  • リードレビューのための営業担当者によるカスタムタスクを作成する

があります。

 

さいごに

製造業ではマーケティングの部門自体がない、担当者がいない会社もまだまだ多いと思いますが、デジタル化が加速している中ではマーケティングの重要性、特にオンラインマーケティングの重要性が高くなっています。もはや先取りではなく、早く対応しなければ乗り遅れる状況にまでなっているため、少しでもオンラインマーケティングを始めるべきです。

弊社はオンラインマーケティングの支援会社ではないのですが、日本の製造業界の発展のためにオンラインマーケティングの重要性について今後も発信していきたいと思います。

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Written by 日比 章善

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